カカオ品種

カカオの実

カカオは大きく分けて以下の3つの品種があります。
品種の後の数字は、全世界のカカオを100%としたときのその生産割合です。
・クリオロ種…約5%
・トリニタリオ種…約15%
・フォラステロ種…約80%
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クリオロはスペイン語で「その土地生まれの」という意味のカカオの原生種(マヤ文明一帯を起源)で、ほとんどが中米(ベネズエラやメキシコなどが有名)で生産されています。
希少性もさることながら、苦味が少なく、その分フルーティーなアロマを持つことが特徴です。
クリオロ自体が稀なのは、病気や害虫など外部環境に弱く、また木一本あたりの生産性も低いことが原因です。

フォラステロは「よその、他の土地の」という意味で、アマゾン(南米ブラジルやボリビアなど)を起源とするようです。
病気に強く、生産性も高いため、近現代ではこの品種を栽培する地域がほとんどで、フォラステロの中でも様々な掛け合わせで品種改良が進んでいます。

トリニタリオはクリオロが育っていたトリニダード・ドバゴにフォラステロを持ち込み交配させたのがその名前の由来で、比較的病気に強く、それでいてクリオロのような優しく柔らかいアロマを持つのが特徴です。

フィリピンはカカオの原生種が残る特異的な地域です。
スペインの植民地時代が約200年間もあるのですが、大航海時代の16世紀前半にマゼランによってメキシコから持ち込まれました。
カカオの歴史は古いにも関わらず、フィリピンでの生産量は世界のカカオ生産量の0.1%ととても希少なものとなっています。

カカオの交配は自然界で容易に行われます。
同じ木から採取される実でも、白色の実(クリオロ由来)のものもあれば、紫色の実(フォラステロ由来)も出てきます。
そのため、クリオロのみがほしい場合、クリオロ種専用の農地で、他種の花粉が虫などによって持ち込まれないように、別区画としてしっかり管理しなければなりません。

写真のカカオの品種は何でしょう…
フォルムから見て、クリオロとトリニタリオの合いの子でしょうかね?
これは開放系の農地で育てているカカオなので、カカオポッドを割って中身を見てみないとわかりません…