フィリピンはカカオ栽培に適した環境で、16世紀後半から栽培されてきましたが、ほぼ国内で消費されてきました。
カカオは一般的に農家ごとの庭に植えてあり、朝ご飯としてご飯とカカオマスで作るチョコレート粥を昔から食べてきたそうです。
フィリピンのカカオ生産量は、年間5000トンほどで、世界のカカオ生産量の0.1%に留まっています。
1988年に承認された包括農地改革法によって、それまであった大規模なカカオ農園が小規模農家に分配され、これらの小規模農家がカカオの栽培技術を持たなかったために病虫害に対応できなかったこと、さらに当時はカカオの国際価格が低迷しており、同時期にフィリピンでは最低賃金が底上げされ、カカオ経営による収益性が合わなくなったこと等によって、カカオ栽培が放棄されたことが挙げられます。
このようにして、農業体制が小規模農家体制となったことで、フィリピンにおけるカカオ栽培が低迷し、現在でも農家はカカオ豆を生産しても販売先を確保できず、結果としてカカオ栽培に対する意欲が低い状態です。
引用: BFPRO business-model_cacao 2016.06